右京さん:絵の価値は、見た人が決めるものです
尊くん:あれぇ、ページがくっついてたのかなぁ
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太田愛さんらしい、しみじみしたお話でした。
物語の破たんもなく、小ネタもちりばめられていて、右京さんと尊くんの推理の掛け合いもある。
特に不足もない、しっとりとした小品。
こーゆーのもシリーズに何話かほしいね。
でも、こういうしっとり系にありがちなのが、殺人を犯した犯人に右京さんが理解を示し、なんとなくみんな微笑みで物語が終わる、みたいな感じ。
でも、どうしても、殺された人の家族とか周囲のことを考えてしまうのね。
もちろん、ほんとに利己的な理由で殺人を犯し、何の反省もない犯人と、やむを得なく殺人を犯してしまい、深く悔いている犯人とは右京さんの対応も違うということはわかるんだけど、殺人は最も犯してはいけないこと、という、右京さんのスタンスを少しでも示してほしかったんだね。
さて、右京さんとたまきさん、美術館でデート。
美術館の中で声でかくね?
そしてこういう場面でも「デートではありません!」って右京さんは言い張るのかな?
事件のあらましを事細かに特命2人に話す米沢さん。
へんなポーズの尊くんに突っ込みも忘れません。
「誤り方が不自然じゃないですか?」
尊くん、冗談です、とは言ってたけど、
半分以上本気だったんじゃない?
花の里にて。
いつの間にやら、宮部さんではなく、たまきさん、と名前で呼ぶようになった尊くん。
たまきさんにいいとこ見せようとして、たいして興味もないであろう画家の話を、さも心惹かれてるような言い方をするあさはかな尊くんに対して、ことごとく突っ込みを入れる右京さん。
(有吉比登治が好き)
「たまきさんと同じ趣味だなんて、光栄です」←「絵を見ていればもっとよかったですねえ」
(有吉の引き裂いた最後の絵を回顧展で展示する)
「へ~、大胆ですね、それは。どんな絵なんです?」←「その本に書いてありましたねえ」
(本は有吉が親友にあてた手紙を元にしている)
「ふ~ん、そうなんですか」←「それもその本に書いてありましたねえ」
ページがくっついてたって、尊おまえよぉ・・・
たまきさんって尊くんが呼んだことに右京さん実は若干イラっときてたのかな?
子どもっぽいね。(どっちも)
尊くんはだいたいソツのない人間だけど、たまきさんの前ではどうも本調子じゃないみたい。
8-10の利休回みたいにさ、たまきさんの前ではたじたじ、みたいな。
こーゆー年上のしっかりした女性に弱いのだな、きっと。
榊役の米倉斉加年、いい味出してるね。
枯れた中にも熱く燃えたぎる画家としての魂。
榊の周辺を調べ始める特命2人。
「控えめに言って、そーとー偏屈なひとですよね」
って尊くん、わりと控えめじゃないね。
更に、榊の画塾に聞き込みに行き、榊に対し低い評価をする画塾の人間に
「でしょうねえ」
とうっかり同意して、右京さんに冷ややかな目でたしなめられる尊くん。
尊くんは素直っちゅうか、正直っちゅうか・・・
あ、あと、「晩鐘」が見つかりました、という米沢さんの電話に、なぜか出ようとしない特命2人。
どういった演出意図があるのかはよくわからんけどさ。
へんなの。
ちらりと右京さんをみる尊くん。
電話にでる順番とか決めてるのかな?
「今回は杉下さんの出る番ですよ」
みたいな。
でも、基本的に尊くんが出るべきでしょー。部下なんだからさ。
有吉のことをよく覚えていないと言いながら、手紙を大事に持っている榊。
「晩鐘」はなかった、贋作をつくらせ、謝礼と引き換えに口裏を合わせたのでは、
という尊くんの推理。
右京さんが尊くんにその推理を榊さんの前で披露させたのは、右京さんも少し、それをぶつけられた時の榊さんの反応に興味があったのかな?
右京さんのぶつけた推理では、謝礼は金ではなく、個展を開くこと、新調したスーツは自分の個展のため。
これは結果的に間違っていたんだけど、榊さんに対して、逃げ場がないほどにたたみかけるような攻撃をしかける右京さんは、相変わらず、怖い。
有吉の最後の命をふりしぼって描いた最後の絵を、本当に引き裂いて展示するという暴挙に出ようとした三木。
有吉の絵を守るために三木を殺した榊さん。
本当に絵を守るためだけだったのか?
三木への怒りとか、三木の、死者の尊厳を踏みにじる行為に対しての、義憤もいくらかあったんじゃないか?
なーんて、少し思ってしまうのです。
でも。
手紙にあった、皮肉屋で尊大な態度は、それを表面でしか受け取れないものにとってはそれでしかないけど、その奥に隠された、友への渇望。
友にしかわからない真意。
有吉と榊さんの友情。
個展のモギリをやらせてやる、という手紙の裏には2人にしかわからない約束があった、
というエピソードには、ちょっと泣いてしまった。
なんだかんだ言っても、こういう話にちょっと弱いのであります。
今日の一言
右京さん:この世に、命と引き換えになるものなど、ありません
尊くん:俺は託児所かよ!
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先週は、2時間スペシャルじゃなく前後編でよいかもって書いたけど、終わって見ると、2時間半スペシャルとかで見たかったなあって思った。
防衛省と伏見の不正をもうすこし掘り下げて、笠井が殺されなければならなかった背景や、笠井と水元の関係、水元がそれをテーマに小説を書こうとした理由も知りたかったな。
右京さんの推理でしかその背景は語られていないので。
岡崎くん転落死。
水元が自殺でないと言い切る右京さん。
特命2人は、その結論を導き出すのに、推理をかさねていって岡崎くんのもとにたどり着いたわけだけど、そのプロセスを知らない捜一にとって、いきなり殺人ですって言われてもなあ。
なに言ってんの?自分が自殺って言ってたじゃん!ってなるよね。
ほんと、困ったチャンだねえ、警部殿は・・・
いきなり米沢さんの首を絞める右京さん。
あわてる捜一と、まただよ、みたいなあきれ顔の尊くんが対照的で面白かったです。
ていうか、落ちる寸前の米沢さんに、
「どうもありがとう」
って涼しげな右京さん。
どうもありがとうじゃねーよ!
そしてあいかわらず「かんべ」のアクセントが平坦な内村刑事部長。
笠井の死亡案件の調書をみる尊くん。
死体も写真なら平気なのねん?
唯一の証拠である上遠野の指紋。
前回屋上から降りるとき、ペロっとさわってたもんねえ。
そしてその手すりをベッタベタさわりまくる尊くん。
非常に協力的な大河内さん。
普通にぺらぺら不祥事しゃべってるし。
つーか、あれ訓練だったんだ・・・
最初にキムラがパニくったときに、訓練から外すべきだったよね。
ちなみに、うちの相方は、キムラ隊員の親友篠原隊員のことを、ずーっとTOKIOの長瀬だと思っていたらしい。
長瀬が出てたらもっと話題になりますがな。
上遠野に殺意があったかなかったか?
そこはそんなに重要なファクターじゃなかったのね。
殺意はなかったんだろうと思うし。
「自分でも意外なことに」
上遠野の行き先を突き止めてしまう米沢さん。
鑑識の鏡!
あんなに小さい写真から、社員証を鮮明に取り出せるスーパーパソコンといい、鑑識課はハイスペックだなあ。
上遠野を訪ねる特命2人。
そして必要以上に声の大きい寮の管理人。
ほら、気付かれちゃったじゃーん!
豊日商事の山根、何にしても小物だなあ。
そして航空幕僚副長フクマさん。
きっとあだ名はタコ入道あるいは海坊主。
一粒の麦の言葉を使って、人を殺すことで他が救われる、それが人を殺してしまったことの贖罪になる、などという曲解した論理で、上遠野を殺人者に仕立て上げる伏見。
上遠野が伏見と初めて会った時の、上遠野の表情がいいな。
自分が人を殺したという罪を背負いながら、それを贖うことも許されない苦しみ。
孤独で、からっぽで、自分が今生きていることにすら耐えられない上遠野は、伏見の言葉を聞いたときに心に光がさした気がしたんだろうか?
子どもの相手にくさる尊くん。
なぜかバット(?)を片手にサッカーをしてます。
「おじちゃーん」に対して間髪いれず「お兄さん!」の尊くん。
それもまったく無視して「直して!」と続ける子ども。
さすが大物政治家の孫だね。
それにしても、携帯のSDカードなんて、真っ先に伏見側に調べられそうだけど、なんで手つかずで残っていたんだろう?
上遠野に、
「消えてくれ」
の一言を言ったことで、まったくもって安心している伏見。
上遠野の反撃は予想してなかったことに、伏見のおごりがあったのだな。
伏見の前に立ちふさがる右京さん。
いつもの汗一つかかず涼しげにしている右京さんが、汗びっしょりの切羽詰まった表情。
右京さんの、
「この5年間、あなたは苦しんだはずです」
の言葉に、上遠野は初めて自分が苦しんでいたことに気付いたのだろう。
伏見の一粒の麦の言葉でごまかされた自分。
人を殺したことに真正面から向き合わなかった5年間を、突きつけられたんだ。
SATの篠原隊員に上遠野を撃たせることで、あなたと同じ十字架を背負わせることになる、
第2第3のあなたを生み出したくありません、という右京さんの言葉。
上遠野はその言葉によって、篠原隊員のこと、自分が殺してしまったキムラ隊員のことが
一気に押しよせ、伏見への殺意も消えてしまったのかな。
上遠野の泣きそうな表情。
徳重さん、上遠野をストイックに演じていたね。
目がいいよ。
いままであんまり徳重さんの演技をまじまじと見たことはなかったけど、よかったなあ。
こんなにいい演技、表情する俳優さんだったんだな。
あ、前にNHKでやってた「グッジョブ」ってドラマ
あれもよかったなあ。
生意気なエリート会社員。
いやあ、重かったなあ。
さすが初回。
前述したように、少々背景の描き方に物足りない部分はあったんだけど、後編は上遠野の苦しみをメインに描いていて、悪くなかったね。
でも、一課は伏見を立件できるのかな?
ちょっと疑問。
あ、東京ドームシティで、人ごみをかきわけて特命2人が走っている場面。
尊くんの
「ごめんね!」
がちょっとツボだったです。
右京さん:何をそんなに怒っているのでしょう
尊くん:ひとつ、よろしいですか?
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いや~。
半年ぶりですよ。相棒。
半年間、待ってました。ずっと大人しく。
その間、シーズン8のヘビロテ&プレシーズンからのだらだら観賞。
プレシーズンの右京さん若いわ~。
タバコ吸ってるし、結構ワイルドだし。
そして中園参事官。若い!別の意味で若い!
ま、それは置いといて。
今回は、相棒始まって以来初めての2時間スペシャルじゃないスタート。
いや、手堅い内容だったんじゃないかしら?
ていうか、面白かったよ。
2時間でドドドっと後半の展開になだれ込むんじゃなくて、
一週の間をおくことで、謎の男の不穏な存在に徐々にスポットがあたり、
緊張感が持続するわけで。
実は自殺でしたという右京さんの推理も、右京さん本人も周囲も
ほとんど納得しかけるところでの上遠野登場なので、
その自殺という結論に対しての違和感も解消。
スムーズな流れだね。
いい感じです。
のっけからハードな戦闘(?)シーン。
徳重さんの眉間のシワが深いね。これは重い展開になりそう。
このまま「To Be Continued」ってテロップが流れてもおかしくない雰囲気。
それにしてもキムラ隊員の精神力のなさ。
なぜこの作戦(どんな作戦かは知らんが)に参加させたのか、
はなはだ疑問。
徳重さん、せっかくかっこいいのに、険しい顔ばかり。
そしていきなり軽やかなオープニング。
スタイリッシュな雰囲気を踏襲しつつ、8とは全く別物ね。
とはいえ、このオープニングのあとに鬱展開は観たくない・・・
警備部に推薦してやるという内村刑事部長の話を笑顔で断ったり、
特命部屋の主のごとく、コーヒーを飲むヒマ課長に「おおぅ」と驚きを素直にあらわにしたり、
やっぱりスパイだった8の時よりも、尊くんの表情に陰りがないね。
きっと尊くんの本質は明るいものだったんだろうとうかがわせる。
立場によって考え方を変えるのが信条だったとはいえ、スパイの頃はつらかったろうねえ。
さっそく尊くんを置いてきぼりにして現場にむかう右京さん。
置いてきぼりかよっ、の尊くんの顔がひどくて面白い。
ほんと表情豊かだな。
そして、右京さんを現場に呼んだ米沢さんの
「なにかご不満でも?」
なんだか初回からぽんぽんとテンポがよくて、とばすなあ。
8の最終回で右京さんに、
「ようこそ、特命係へ」
と言わしめた尊くんですが、なぜだか右京さん実はやっぱり変わってなくて、
尊くんと一緒に捜査にむかおうとか、そういう考えはないみたい。
特命に残ることを決めたあの時から半年間、
尊君は右京さんにずっとこんな態度とられてたのかしら?
おかわいそうに・・・
白秋社での聞き込み。
特命2人をみての捜一の2人のリアクションが面白いね。
イタミンいちいちリアクション大きいわ。
そして肩をいからせて去るイタミンと芹沢さん。
死んだ水元湘子の周りで不穏な死。
夜釣りの最中海に落ちて死んだ笠井氏。
の、妻の父の伏見。
津嘉山さん、相変わらず渋いなあ。
昔、NHK-FMで、津嘉山さんがナビゲーターをしていた
「クロスオーバーイレブン」っていう番組が好きだったんだよなあ。低い声がよくてね。
あ、話が逸れた。
花の里での、右京さん、尊くん、米沢さんの3ショット、新鮮だなあ。
で、さりげなく尊くんの席が右京さんに近づいてる。
尊くんがものを食べるシーンって、所作がきれいで、みてて気持ちいいです。
ところで、米沢さんって、結構文学好きだよね?
6-3「蟷螂たちの幸福」では「ヲタと呼ばれても過言ではない」ほど作家の蓬静流に
傾倒していたしね。
ほかにそんなエピソードなかったかな?
・水元殺害容疑をかけられ、捜一に追いつめられる川芝。
イタミン顔こえ~よ。
あんな顔で迫られたら、何も悪いことしてなくても逃げるね。
・尊くんの「ひとつ、よろしいですか?」
右京さんの不審顔がいいね。
・社長秘書に迫る尊くん。
エロいぞ尊。
これぞ尊くんの本領発揮だぜ。
香水の香りもさらっと当てて、ワインのラベルをみて銘柄もすらすら読めて、
ハイスペックだな。
・パントリーでいきなり棚をガタガタうごかす右京さんと、あわてて棚を抑える尊くん。
尊くん、そろそろ何かをやらかす右京さんのおもり役の様相を呈してきました。
・右京さんの疑問に対して、岡崎に会いに行くことをパッと提案するあたり、
頭の回転早いね、尊くん。
・ぐずぐずしてると置いてきぼりにしますよっ
「よ」のところ、口とがらせて鼻の下のびてる表情がかわいいのな。
・ただの転落ではなく、別のビルに一回バウンドしての落下。
岡崎さんあわれです。
そして相変わらず死体が苦手な尊くん。
・エレベーターと非常階段なら、
迷わず尊くんに階段を行かせる右京さん。
盗まれた福助人形の返却をするときも人形の箱を持たせ、
段ボール5個分の資料を持たせ、
男子高盗撮ビデオのたくさん詰まっている段ボールも運ばせ、
右京さん、絶対Sだなあ。(スパイにあらず)
尊くん、意外に体力方向担当なのかしら?
さてさて。
次回予告の、
「警備部に連絡を!」叫ぶ右京さん。
警備部への移動を断った尊くん。
なんか意味深なシーンな気が・・・
上遠野のかかわりもさることながら、事件に伏見がどんなかかわりかたをしてるのか、
楽しみであります。
今回は「和泉ブルー」ではなく、明るい、というか、
「和泉イエロー」みたいな画面でした。
見やすいっちゃ見やすい。
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「相棒」が好きです。
土ワイ時代からずっと好きです。
つらつらと語っているので、
よろしければ読んでやってください。