右京さん:真実の追求に、もうこの辺でいいなどということは、絶対にありません
尊くん:もう、この辺でいいんじゃないんですか
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追記&イラストアップあります♪
観終わってからしばらくの間ぼーぜんとしてしまった。
なんだこの相棒は?
すげー面白くて、すげーもやもやして、すげー重くて、すげー怖かった。
自分の中で葛藤して、考えすぎて、疲れちった。
右京さんの正義って言うのは、よく言われているような法の順守と言うことではなく、真実の追求、真実が闇に葬り去られることへの抵抗なんだと思う。
今回言ってた、法の整備をするべきですっていうのは、今の法が必ずしも現実に則してない、不備があることを右京さんもわかっている。だから真実を追求するためにちょくちょく法律違反はする。
でも、それはあくまで真実を明らかにするためであって、法は率先して破るものじゃないんだね。
真実を闇に葬るために、別の法で人を裁くなんてことは許されない。
ただね、理想はそうかもしれない。
でも、現実をみた時に、協力者である後藤は、もし鎌田の自殺ほう助の罪で刑に服した場合、そんなに長くは入っていない(もしくは執行猶予がつくかもしれないし、そもそも立件されないかもしれない)だろうから、すぐに出所する。多分、裏切り者として報復を受ける。
そんなことがあっても右京さんは同じことが言えるんだろうか?
言えるんだろうなあ・・・
この人の正義=真実を追求すること、は絶対に揺らがない。
麻取の鎌田の潜入捜査員としての覚悟を知る五月女にとっては、右京さんの正義は詭弁でしかない。
右京さんにとっては自らの命を絶つ覚悟で、言い方を変えればそこまで追い込まれる捜査など、あり得ない。
ただ、真実っていうのは、人それぞれ異なるものなのかもしれない。
麻取の捜査官にとっての真実は,1年の内偵の苦労を消すことはできない。
そのためなら自らの命を絶つことも厭わない、ということ。
尊くんが
「もういいじゃないですか」
って、右京さんを止めたのは、この辺で止めないと特命係そして右京さん自身の立場も危うくなることを予感したからなんじゃなかろーか。
右京さんの正義は孤立していたし。
上はともかく、捜一も右京さんの正義に全面的に賛同できないでいたし。
捜一、特にイタミンなんかは特命を毛嫌いしていても、右京さんのことは密かに認めているふうはあるからね。
でも、今回は「わからん」
右京さんの言う真実が、どうしたっていい結果を生むとは思えない。
麻取の潜入捜査が明らかになり、潜入した捜査員が自殺するという不祥事、
その原因が捜査員のミスであるということのみならず、潜入捜査がばれそうになっていることを察知しながら捜査を続行させた麻取の判断ミス、責任論になり、麻取の協力者は報復を受ける。
そして捜査員が自らの命を絶ってまで守りたかったものをぶち壊しにする。
それらを全てなかったことにするのと、真実を追求することと、どちらをよしとするのか。
イタミンも正義の人なんだよ。
だから「わからなく」なるんだよ。
三浦さんはもう少し老練なひとだから、右京さんの独りよがりの正義に対して忠告するけれど。
そして尊くん。
尊くんの信念は右京さんのそれとは違うということが今回ありありとわかったね。
尊くんはどちらか言うと、国家的な立ち位置、小野田官房長よりなんだよ。
個々の真実を追求するよりも、大きな俯瞰で物事をみることによって、国家的安寧をはかる。
尊君だって、7-19「特命」の時と違って、右京さんの正義を理解し、尊敬し、特命係に残ったはずなんだ。だから、
「なんか不公平だなあって思って」
「埋もれて行く真実なんていくらでもありますよ」
なんて、薄笑いを浮かべていた時とは違い、今回は苦しい選択だったと思う。
思えば、証拠映像を消去したのは2度目。
8-1「カナリアの娘」の時は、小野田に命令されて。
立場によって考え方を変えますとぬけぬけと言ってたな。
そして今回は自分の意思で。
でも、内村刑事部長に進言し、調書を書きなおさせ、映像を消去したことは、取りも直さず、右京さんの孤立をこれ以上進めない防御策でもあったんだと思う。
これ以上右京さんが進んでしまったら、右京さんが危なくなるってことを察知したんだな。
それと同時に、全てがまるく収まる方法を選んだんだ。
尊くんは大局的な見地と、右京さんへの個人的な尊敬の念、それから、まだ特命係をなくすわけにはいかないという思いとかもろもろ抱えて、内村刑事部長に頭を下げたんだと。
それが尊くんの今できることなんだと。
前だったら、小野田官房長が登場して右京さんにストップをかけて、全てを丸く収めたんだろうね。
そして、すごく後味が悪いまま終わるか、それとも右京さんは裏技的な方法を使ってあくまで真実を白日の下にさらしたか。
その場合、相棒である尊くんが右京さんの側に100パーセントついてなきゃいけないけど。
今回はストップをかけたのが、右京さんの近いところにいる尊くんだったってことが、すごく気持ちの中につらい部分が残ってしまったというか。
小野田だったらしょうがないけど、尊くんだったから、右京さんも尊くんも、捜一も、つらかったんだろうし、イタミンは答えが出せなかったんだと思う。
尊くんは自分の正義を曲げたわけじゃない。
今できる最善のことをしただけ。
そして花の里にて、
「すみませんでした」
右京さんの真実の追求を止めたわけだから、顔を合わせるのもつらかろうに。
でも、自分の信念は間違っていない。
恥じることは何もしていない。
そう、右京さんに伝えるために花の里に行ったんだろうし、
右京さんもそれをわかっていたから特に咎め立てもしなかった。
もしかしたら右京さんが進むのを止めた尊くんに対して、畏怖の念を抱いているかもしれない。
(いや、それはないか)
薫ちゃんなら情で止めたかもしれないし、右京さんを信じてついて行ったかもしれない。
尊くんは実力行使で右京さんを止める。
右京さん、尊くんの信念の一端をみた気がしたかな?
7-8「最後の砦」だったかな?
薫ちゃんの、
「右京さんは強いですね。そして、正しい」
という言葉を思い出しました。
・二見会に一斉捜索。ひょいと足を引っ掛ける右京無双。つえ~。
・組対5課VS捜一
と思いきや。組対5課VS麻取さらに右京VS麻取
この流れはなかなか面白かったね。
・米沢さんを怒鳴りつける暇課長。米沢さんあわれ。
暇課長、ああ見えて切れ者なんだろうな。で、今回みたいな煮え湯を飲まされるようなこと、たくさんあったんだろうね。ひょうひょうとしてるけど、相当の切れ者じゃなきゃノンキャリで警視庁の組対5課の課長なんてなれないでしょね。おそらく階級は警視かな?
でもって、かりかりしてる暇課長を変な顔でみてる尊くん。なんか楽しそうなんですけど・・・
・妙に狭い空間に仲良くすわる特命2人。
鎌田の着衣から出た火薬残渣。
この事実から、右京さんと同じスピードで真実にたどり着いた尊くん。
そこから、右京さんがどう動くか、自分がどのように動けば右京さんを止められるか、
誰に頭を下げれば全てが丸く収まるか、
右京さんよりもはやく組み立て行動に移した尊くん。
同じ事実を知り、鑑識を出た特命2人の、行く方向が逆だったところに、この2人が特命にいるということの意味と緊張があるのだな。
右京さんが後藤に、鎌田の自殺の真相を迫る場面。
右京さん、怖かった。
こんな人に追求されたら、絶対逃れられない。
前回まで、わりとほんわかとした話が続いてたので、久々にドキドキした相棒でした。
で、来週はなんだかまた実験的な話なのかな。
たまきさんの前で、気分が悪くなるというよりほとんどマジ吐きじゃないの?っていう尊くんとか、
刑事の勘が叫んじゃってるイタミンとか、めちゃめちゃ面白そうです。
右京さん:あなたに心を寄せる人と、あなたご自身を、もうこれ以上傷つけないで済むように
尊くん:飲みましょ!飲んで忘れちゃいましょ!イェイ!
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陣川くんの回は相変わらず面白いな。
ちょっと調べてみると、今までの陣川くんの回、
「第三の男」(3-6) 砂本量
「陣川警部補の災難」(6-2) 戸田山雅司
「劇場版」 戸田山雅司
「悪意の行方」(7-18) 櫻井武晴
「運命の女性」(9-5) 太田愛
と、みんな脚本家さん違うんだけど、陣川くんのキャラに全くぶれがない。
というか、
みんな陣川くんのこと書いてて楽しかったでしょ?
って感じ。
・指名手配犯写真、陣川くんの中ではあんなふうに脳内データがインプット・アウトプットされてたんだ~。陣川くんらしい。ちょっと(かなり)精度に問題ありだけど。
・そして鯨岡学の乳首まさぐる陣川くん。
・花の里にて、やっぱりソン君呼ばわり陣川くん。
時系列的には、劇場版2で陣川くんと尊くんは初対面してるんだよね。
それに関してはさらりと流していて、妙に説明的じゃないのがよかった。こうなると、2人がどんな出会いをしたのか気になるところ。
特命係では先輩だということを強調して、先輩風吹かせたんだろうなあ。
・酔っ払いに優しい特命2人。
特にソン君は、7-19「特命」でも、酔っ払って道に寝ていた福助くんを、ブーブー文句言いながらも家まで送ってあげてたしね。文句やぼやきは多くても、基本世話焼きさんなのかもしれないね。
その点右京さんは陣川くんがくだを巻いてもスルー。もう慣れっこって感じかな。
7-19で、薫ちゃんがいなくなってから初めて陣川くんと2人っきりだった時は、そうとうイライラしてたけど、今回はソン君というスケープゴートがいたから余裕の笑みだね。
・結婚式でブーケを受けとる陣川くん。
なぜ女性の中に1人まざってる。周りの女性たちの「え?」っていう、微妙な表情が素敵。
・醤油!(イラッ)の言い方が尊くんらしくていいね。
・たまきさんのこと、たまさんって言ったよね?
杉さん亀さんソン君たまさん・・・
・机に座ってゲロルのむ尊くん。お行儀が悪いですよ。
・運命の女性に出会ったと、わざわざ特命に報告に来る陣川くん。仕事しなさい!
陣川くんは、何に対しても本気なんだよね。
指名手配犯を見つけたと思った時も、不審物を発見したと思った時も、恋愛も一本気だあよ。
でも、その割には、空き巣に入られたとか、家の鍵を落としたとか、一般的には大変なことに関しては無頓着なんだよなあ。そこがズレてると言われる所以なのか。
あの部屋に入った尊くんが「非日常的な空間」と呆れてるのは、あのポスターだらけの異様な空間のことを言ってるんだと思うんだけど、それにも気付かず、散乱している荷物を週末大掃除するから、みたいにケロリとしてるし。陣川くんにとっては日常的な空間だからなあ。
そしてあの部屋に「運命の女性」を平気で呼ぶ陣川くん。
なんか前よりポスター増えてる気がするんだけど・・・
・バカップルの写真入りTシャツに
陣「誰なんだこの2人!!!」
尊「鈴木さんと山田さんでしょ」
陣「うん」
にワロタ。
ていうか、引き出物にあんなTシャツもらって迷惑だよなあ。あんなバカップルの披露宴に呼ばれちゃった鯨岡学、暗い表情にもなるはずだよ。
・「尊敬する杉下警部。と、後輩の神戸尊くん。」
「イッ・・・どうも。」
尊くん、陣川くんに紹介される前にちゃんと得意げな笑顔作って待ってるのね。ところが「後輩の・・・」に、え?って微妙な表情になる。
尊くんってよくよく見てると、右京さんの後ろで細かーく表情豊かなんだよね。
・ピザこぼす右京さん。
ここだけ一瞬右京さんではなく豊さんにみえました。
・しのはら→ひのはら
江戸っ子なのかもしれない!(キリッ)
なんてポジティブシンキング。
・物分かりの悪すぎる陣川くんに
「え、まだわからないかな?(イラッ)」
ってソン君一応後輩なんだからさ。
・ほとんどバカ野郎と言いたい気分だったでしょうな、と言う米沢さんに対して、うんうん、と力強くうなずく右京さん。
・財布の中身を拝借しちゃった鯨岡学。
結婚式でヘンな刑事(?)に乳首まさぐられるという不愉快な出来事に遭遇しなければ、変な気起こさなかったんじゃないかしら?
・半分の1万円札。
「こーゆーのって、銀行に持っていけば5千円と換えてくれるんですよね」(どや顔)
「それはともかく」
右京さんスルー。
「777!ラッキーセブンだから貴重なんだ!」(どや顔其の2)
「常識以上の価値はないと思いますよぉ」
尊くん、遠まわしに陣川くん常識ねえなって言ってる?
・二つのうち、どちらかを選んでください。
結婚か、逮捕か、って、それどんなうぬぼr(ry
・密輸業者石井久雄。
何億と言う金が絡む犯罪に手をそめている大物にもかかわらず、
スリには無警戒な男。
合計で3回もすられてんだな・・・
・脅したつもりが脅されて、最後についでみたいに逮捕されちゃう浅野。
どんだけ間抜けなんだよ。
桧原さんはほんとに肝がすわってるね。陣川くんが惚れるはずさあ。
・「ボクが浅野に会って注意します!(キリッ)」
注意って・・・
・「勝手に事件に巻き込まれ・・・生活環境課の努力をぶち壊しにした・・・最悪です」
尊くん、クールにひどい言い方。ほんとのことだけど。
陣川くんは非常にキャラがたってるね。
陣川くんさえ出ていれば、突っ込み所満載なストーリーは2の次になっちゃう。
でも、こーゆー楽しい回は、あんまり細かいこと言わず、素直に楽しむのがいいね。
突っ込みやチャチャを入れながら笑える回もたまには欲しいのだ。
陣川くんのキャラがインパクトありすぎて、尊くんも、更には右京さんさえも存在感が薄くなってしまう。でもそれは仕方ないのかな。だって陣川くん最強だもの。
尊くんのイライラ感も愉快だったんだけど、もうちょっと「ソン君」と陣川くんの絡みも見たかったな。
前に、陣川くんと閉じ込められた時の右京さんのイラつきっぷりも面白かったので。
・やっぱり最後は酔いつぶれる陣川くん。
そしてピザでダメ押しのたまさん。さりげなくひどすぎる。
・右京さんもさすがにどもるわな。
それ、ボ、ボクのほうに
って、あわてる右京さんめずらしいな。
・飲んで忘れちゃいましょ!イェイ!
って尊くんイェイは言わないんじゃない?ここでは一瞬及川さんが見えました。
今回捜一出なかったなあ、って思ったら、着せ替えツールのナレーション、イタミンだった。
かっこえ~。
右京さん:警察官の仕事に雑用はありません
尊くん:はははっ、ボクのせいですか?
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右京さんが最後に尊くんに対して、警察の仕事に雑用はありません、と,たしなめたシーン、実はちょっとびっくりした。
今まで右京さんが、ぼやく尊くんに対して、嫌味や皮肉をチクチク言うのはあったけど、こんなふうに正面切って、尊くんの言動を真摯にたしなめることはなかったので。
これはちょっと穿った見方なのかもしれないけど、やはり右京さんが、特命係と、尊くんの将来を考えてのことなのかなって。
尊くんはずっと特命係にいる人間ではないんだと思う。
いつか巣立つ日が来る。
ほんとにとばされてきた薫ちゃんと違って、尊くんはもともと上層部の命で特命係に配属になり、そして自らの意思で特命係に残った人間。
警察庁警備局警備企画課課長補佐、階級は警視というエリートで、しかも警察のシステムの根幹にかかわるような一大プロジェクトの責任者だった人間。
ノンキャリアから出世したことを考えても、優秀さは計り知れない。
しかも、対人スキルの高さや、上司のうけを考えると、見方によっては右京さんよりも(警察組織にとって)有能な人材。
事務方として優秀でも、捜査員としてはまだまだな尊くんに、右京さんは捜査員としてのイロハをたたき込んでいるんではなかろーか。
いつか特命係を去って、別な部署に行くときのために。
なーんて、考えすぎ?
・またもや転落死発生。ここ最近転落死多いね。
・中園参事官に呼び出され、立たされる特命2人。お掃除を言いつけられ、尊くん露骨に嫌な顔。
・最後に尊くんに偉そうなことを言う割に、途中で倉庫掃除をほっぽりだす右京さん。
・何となくやる気のない入谷署の刑事、柳ユーレイ。
そうそうに事故で片づけようとしたり、こんな空気が蔓延している警察署なら、横領、ずさんな管理があってもおかしくないね。
・そしてそんな入谷署に主導権を握られる捜一。
・第一発見者のじいさんからハサミを突き付けられてびびる尊くん。
・わざわざ特命を訪ねてきて、立松に会ったことを告白する猪瀬係長。大きな真実を隠すためには小さな真実を話すことでリアリティが生まれるということ?しかも丸山係長が怪しいとにおわせる。
・鑑識係長の賞罰資料を尊くんにいとも簡単にかしてくれるラムネ。
どんだけ仲いいんだよ。
仲がよろしいんですね、という右京さんの皮肉?感想も尊華麗にスルー。
・米沢さんからの電話に、今日は普通に出る尊くん。
先週のはなんだったんだろう?
・みるからに怪しいてっちゃん。終わってみれば、実は何もしてないし。
エレベーターで特命に追いつめられるは、貸した5万円はかえってこないは、右京さんに10年間音沙汰なかった友人にお金を貸したことについてチクチク皮肉めいたこと言われるは、いくら指輪をもらったとしても(しかもその指輪は証拠品として押収されたろうし)
一番かわいそうなのはてっちゃん。
・上田さん、昨日はどーもぉ!
まるでセールスマンのような尊くん。
・散歩コースの途中でたまたま立ち止まった場所が警察署の前でしたか。
一般人に皮肉炸裂右京さん。今日の右京さんはなぜだか皮肉がすごい。しかも、上田さんも終わってみれば単なる善意の一般市民だったわけで・・・
・特命の前でうっかり口を滑らせた丸山係長。追い出された特命2人の責任なすりつけあいのイヤミ合戦。やっぱり右京さんには勝てない尊くんの地団太。
・勝手に人んちの鑑識倉庫で証拠品の点検する2人。あんなふうに部外者が簡単に入り込める体制の署なら、証拠品の紛失なんてすぐに起きそうだね。
結局、過去の証拠品の紛失も、丸山係長も事件には無関係だったしね。自分の保身のためとはいえ、猪瀬係長の横領を隠蔽しているかのような役割になってしまったし。
簡単に横領させるような管理の仕方をして、管理職として失格、自業自得とはいえ、写真たての家族写真が、すごく切ないわ。
時効撤廃がメインテーマと思わせておいて、実は警官の横領、それを隠蔽するため、そして15年間殺人犯を追っていたはずの警察官が、私怨を晴らすための逆恨みで殺人をおかすという、救いようのない男の愚かさを描いていたんだね。
立松が15年前の犯人だと確信した時の、猪瀬の立松への攻め方をみるに、それなりに優秀な刑事だったんだろうと思わせる。あのイヤラシイねちっこさでやられたら、気の弱い犯人だったらさっさと白状するだろな。
なのに、15年の間で、愚かな人間に落ちてしまったのだな。
あわれだのう。
尊くんの激昂に対して、右京さんの
「彼が今でも警察官だったならば・・・」
の言葉が重く響く。
自分を正当化する犯人に対し、彼はすでに警察官ではなかった、と静かに告げる右京さん。
怒る価値もないということなのかな。
それに比べると、ストレートに怒りをあらわす尊くんのほうが、まだまだ若い?
それにしても、猪瀬が立松に襲いかかるシーン。
猪瀬の顔怖かったなあ。
そして非常階段から立松を落とすシーンで、まるでタイミングをはかったかのようなニュース速報。
一瞬わけわかんなくなりました。
鑑識倉庫の整理を雑用と言った尊くんに対して、警察官の仕事に雑用はありません、とても大切な仕事、という右京さんの言葉。
入谷署のずさんな管理という流れから、スッと右京さんの言葉が入り込みました。
これを、右京さんの嫌味や皮肉をとらえるむきもあるけれど、単なる嫌味皮肉なら、尊くんはぼやいただろなと思う。そうじゃない、真摯な言葉だったから、尊くんも素直にハイ。とうなずいたんだろうと思うよ。
来週は陣川君。
やっぱり失恋するんだろうなあ。
てゆーか、ブーケとるなよ!!!
相棒は揺らがないってフレーズ、どっかでみたけど、そういう意味で陣川君は揺らがないなあ。
右京さん:絵の価値は、見た人が決めるものです
尊くん:あれぇ、ページがくっついてたのかなぁ
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太田愛さんらしい、しみじみしたお話でした。
物語の破たんもなく、小ネタもちりばめられていて、右京さんと尊くんの推理の掛け合いもある。
特に不足もない、しっとりとした小品。
こーゆーのもシリーズに何話かほしいね。
でも、こういうしっとり系にありがちなのが、殺人を犯した犯人に右京さんが理解を示し、なんとなくみんな微笑みで物語が終わる、みたいな感じ。
でも、どうしても、殺された人の家族とか周囲のことを考えてしまうのね。
もちろん、ほんとに利己的な理由で殺人を犯し、何の反省もない犯人と、やむを得なく殺人を犯してしまい、深く悔いている犯人とは右京さんの対応も違うということはわかるんだけど、殺人は最も犯してはいけないこと、という、右京さんのスタンスを少しでも示してほしかったんだね。
さて、右京さんとたまきさん、美術館でデート。
美術館の中で声でかくね?
そしてこういう場面でも「デートではありません!」って右京さんは言い張るのかな?
事件のあらましを事細かに特命2人に話す米沢さん。
へんなポーズの尊くんに突っ込みも忘れません。
「誤り方が不自然じゃないですか?」
尊くん、冗談です、とは言ってたけど、
半分以上本気だったんじゃない?
花の里にて。
いつの間にやら、宮部さんではなく、たまきさん、と名前で呼ぶようになった尊くん。
たまきさんにいいとこ見せようとして、たいして興味もないであろう画家の話を、さも心惹かれてるような言い方をするあさはかな尊くんに対して、ことごとく突っ込みを入れる右京さん。
(有吉比登治が好き)
「たまきさんと同じ趣味だなんて、光栄です」←「絵を見ていればもっとよかったですねえ」
(有吉の引き裂いた最後の絵を回顧展で展示する)
「へ~、大胆ですね、それは。どんな絵なんです?」←「その本に書いてありましたねえ」
(本は有吉が親友にあてた手紙を元にしている)
「ふ~ん、そうなんですか」←「それもその本に書いてありましたねえ」
ページがくっついてたって、尊おまえよぉ・・・
たまきさんって尊くんが呼んだことに右京さん実は若干イラっときてたのかな?
子どもっぽいね。(どっちも)
尊くんはだいたいソツのない人間だけど、たまきさんの前ではどうも本調子じゃないみたい。
8-10の利休回みたいにさ、たまきさんの前ではたじたじ、みたいな。
こーゆー年上のしっかりした女性に弱いのだな、きっと。
榊役の米倉斉加年、いい味出してるね。
枯れた中にも熱く燃えたぎる画家としての魂。
榊の周辺を調べ始める特命2人。
「控えめに言って、そーとー偏屈なひとですよね」
って尊くん、わりと控えめじゃないね。
更に、榊の画塾に聞き込みに行き、榊に対し低い評価をする画塾の人間に
「でしょうねえ」
とうっかり同意して、右京さんに冷ややかな目でたしなめられる尊くん。
尊くんは素直っちゅうか、正直っちゅうか・・・
あ、あと、「晩鐘」が見つかりました、という米沢さんの電話に、なぜか出ようとしない特命2人。
どういった演出意図があるのかはよくわからんけどさ。
へんなの。
ちらりと右京さんをみる尊くん。
電話にでる順番とか決めてるのかな?
「今回は杉下さんの出る番ですよ」
みたいな。
でも、基本的に尊くんが出るべきでしょー。部下なんだからさ。
有吉のことをよく覚えていないと言いながら、手紙を大事に持っている榊。
「晩鐘」はなかった、贋作をつくらせ、謝礼と引き換えに口裏を合わせたのでは、
という尊くんの推理。
右京さんが尊くんにその推理を榊さんの前で披露させたのは、右京さんも少し、それをぶつけられた時の榊さんの反応に興味があったのかな?
右京さんのぶつけた推理では、謝礼は金ではなく、個展を開くこと、新調したスーツは自分の個展のため。
これは結果的に間違っていたんだけど、榊さんに対して、逃げ場がないほどにたたみかけるような攻撃をしかける右京さんは、相変わらず、怖い。
有吉の最後の命をふりしぼって描いた最後の絵を、本当に引き裂いて展示するという暴挙に出ようとした三木。
有吉の絵を守るために三木を殺した榊さん。
本当に絵を守るためだけだったのか?
三木への怒りとか、三木の、死者の尊厳を踏みにじる行為に対しての、義憤もいくらかあったんじゃないか?
なーんて、少し思ってしまうのです。
でも。
手紙にあった、皮肉屋で尊大な態度は、それを表面でしか受け取れないものにとってはそれでしかないけど、その奥に隠された、友への渇望。
友にしかわからない真意。
有吉と榊さんの友情。
個展のモギリをやらせてやる、という手紙の裏には2人にしかわからない約束があった、
というエピソードには、ちょっと泣いてしまった。
なんだかんだ言っても、こういう話にちょっと弱いのであります。
今日の一言
右京さん:この世に、命と引き換えになるものなど、ありません
尊くん:俺は託児所かよ!
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先週は、2時間スペシャルじゃなく前後編でよいかもって書いたけど、終わって見ると、2時間半スペシャルとかで見たかったなあって思った。
防衛省と伏見の不正をもうすこし掘り下げて、笠井が殺されなければならなかった背景や、笠井と水元の関係、水元がそれをテーマに小説を書こうとした理由も知りたかったな。
右京さんの推理でしかその背景は語られていないので。
岡崎くん転落死。
水元が自殺でないと言い切る右京さん。
特命2人は、その結論を導き出すのに、推理をかさねていって岡崎くんのもとにたどり着いたわけだけど、そのプロセスを知らない捜一にとって、いきなり殺人ですって言われてもなあ。
なに言ってんの?自分が自殺って言ってたじゃん!ってなるよね。
ほんと、困ったチャンだねえ、警部殿は・・・
いきなり米沢さんの首を絞める右京さん。
あわてる捜一と、まただよ、みたいなあきれ顔の尊くんが対照的で面白かったです。
ていうか、落ちる寸前の米沢さんに、
「どうもありがとう」
って涼しげな右京さん。
どうもありがとうじゃねーよ!
そしてあいかわらず「かんべ」のアクセントが平坦な内村刑事部長。
笠井の死亡案件の調書をみる尊くん。
死体も写真なら平気なのねん?
唯一の証拠である上遠野の指紋。
前回屋上から降りるとき、ペロっとさわってたもんねえ。
そしてその手すりをベッタベタさわりまくる尊くん。
非常に協力的な大河内さん。
普通にぺらぺら不祥事しゃべってるし。
つーか、あれ訓練だったんだ・・・
最初にキムラがパニくったときに、訓練から外すべきだったよね。
ちなみに、うちの相方は、キムラ隊員の親友篠原隊員のことを、ずーっとTOKIOの長瀬だと思っていたらしい。
長瀬が出てたらもっと話題になりますがな。
上遠野に殺意があったかなかったか?
そこはそんなに重要なファクターじゃなかったのね。
殺意はなかったんだろうと思うし。
「自分でも意外なことに」
上遠野の行き先を突き止めてしまう米沢さん。
鑑識の鏡!
あんなに小さい写真から、社員証を鮮明に取り出せるスーパーパソコンといい、鑑識課はハイスペックだなあ。
上遠野を訪ねる特命2人。
そして必要以上に声の大きい寮の管理人。
ほら、気付かれちゃったじゃーん!
豊日商事の山根、何にしても小物だなあ。
そして航空幕僚副長フクマさん。
きっとあだ名はタコ入道あるいは海坊主。
一粒の麦の言葉を使って、人を殺すことで他が救われる、それが人を殺してしまったことの贖罪になる、などという曲解した論理で、上遠野を殺人者に仕立て上げる伏見。
上遠野が伏見と初めて会った時の、上遠野の表情がいいな。
自分が人を殺したという罪を背負いながら、それを贖うことも許されない苦しみ。
孤独で、からっぽで、自分が今生きていることにすら耐えられない上遠野は、伏見の言葉を聞いたときに心に光がさした気がしたんだろうか?
子どもの相手にくさる尊くん。
なぜかバット(?)を片手にサッカーをしてます。
「おじちゃーん」に対して間髪いれず「お兄さん!」の尊くん。
それもまったく無視して「直して!」と続ける子ども。
さすが大物政治家の孫だね。
それにしても、携帯のSDカードなんて、真っ先に伏見側に調べられそうだけど、なんで手つかずで残っていたんだろう?
上遠野に、
「消えてくれ」
の一言を言ったことで、まったくもって安心している伏見。
上遠野の反撃は予想してなかったことに、伏見のおごりがあったのだな。
伏見の前に立ちふさがる右京さん。
いつもの汗一つかかず涼しげにしている右京さんが、汗びっしょりの切羽詰まった表情。
右京さんの、
「この5年間、あなたは苦しんだはずです」
の言葉に、上遠野は初めて自分が苦しんでいたことに気付いたのだろう。
伏見の一粒の麦の言葉でごまかされた自分。
人を殺したことに真正面から向き合わなかった5年間を、突きつけられたんだ。
SATの篠原隊員に上遠野を撃たせることで、あなたと同じ十字架を背負わせることになる、
第2第3のあなたを生み出したくありません、という右京さんの言葉。
上遠野はその言葉によって、篠原隊員のこと、自分が殺してしまったキムラ隊員のことが
一気に押しよせ、伏見への殺意も消えてしまったのかな。
上遠野の泣きそうな表情。
徳重さん、上遠野をストイックに演じていたね。
目がいいよ。
いままであんまり徳重さんの演技をまじまじと見たことはなかったけど、よかったなあ。
こんなにいい演技、表情する俳優さんだったんだな。
あ、前にNHKでやってた「グッジョブ」ってドラマ
あれもよかったなあ。
生意気なエリート会社員。
いやあ、重かったなあ。
さすが初回。
前述したように、少々背景の描き方に物足りない部分はあったんだけど、後編は上遠野の苦しみをメインに描いていて、悪くなかったね。
でも、一課は伏見を立件できるのかな?
ちょっと疑問。
あ、東京ドームシティで、人ごみをかきわけて特命2人が走っている場面。
尊くんの
「ごめんね!」
がちょっとツボだったです。
07 | 2025/08 | 09 |
S | M | T | W | T | F | S |
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「相棒」が好きです。
土ワイ時代からずっと好きです。
つらつらと語っているので、
よろしければ読んでやってください。